12/13の主張             文は田島薫



(悪の糾弾について)

北朝鮮が日本の家族に渡した拉致被害者の遺骨が偽物だということがDNA鑑定で

わかり、でたらめな対応をするけしからん国北朝鮮に対して経済制裁をすべきだ、

っていう意見が増えてきているようだ。

被害者家族がそういう気持になってしまうのはある程度仕方ないことだし、同情

だってできるけど、当事者でもない国民があまりそういった視点だけに捕われる

のは問題だろう。


そりゃ、人の国へ乗り込んで来て、そこの国民を拉致して行っていいと思っている

国民はいないはずだし、そのことを訴えて、いけないことだ、って言えばそりゃ

反論することはできない。しかし、そう言ったら、北朝鮮人だって、人道的には

いいことだと思ってるわけはないだろう、しかし、北朝鮮は今でも戦時意識なのだし、

数十年前の戦時にはわが国だって同じようなことをしていたのだ。


アフガンに続き、イラクには理不尽な根拠で卑怯にも武装解除させた後に武力攻撃

した米国に敵視されている中、具体的な保証もなしに、核開発の放棄を迫られ、

その米国にべったり追従した日本に拉致に関して全部明らかにしろ、って言われても

そりゃ、無理だろう、少しは北朝鮮の立場にもなってやれ、って言いたい。


北朝鮮がとんでもない国だ、って当然の事実のようにみんなで口を揃えて、騒ぐけど、

戦時の日本は強制連行した朝鮮人に対してどういう扱いをしたんだか考えてみよう。

北朝鮮は日本人を拉致したし、スパイ養成といった目的があったのだろうけど、

北朝鮮国民が飢えている時にも、日本人にそれなりの待遇で処したんじゃないのか。

彼らは独裁国家で日本人にも場合によってはひどい扱いをする場合もあったかも

知れないけど、それに関しては北朝鮮国民に対しても同じ扱いなのだ、特別日本人

だけいじめたわけではない、そういう体制なのだ。


北朝鮮は各国の国交努力によって今新しい国へ脱皮して行こうとしているのだ。

それの芽を摘むような、自分達の過ちは棚に上げて、一方的に攻め立て、飢えている

国に、食料援助さえ止めて叱りつけよう、って政策は未来を開くだろうか。




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