今週の雑感(昔のもありの) 文はさぬがゆたか
ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
しばらく感動ものじゃなくて雑感記に変えたいとのことです。
今年の夏は例年になく異常に暑い。暑いだけならまだしも湿気がひどく一日何枚パンツを履き替えたら気が済むのかの問題にさえなっている。
そんなわけで、街ゆく営業マンを気の毒に思うこの頃なのでもあります。
我が作業場である工房の日中は、インドネシアやマレーシアをもしのぐ熱帯圏になりはて(明かり取り用に天井をシースルーにしたため)もはや
生死の問題ともいえる暑さになる。な訳で、
昼間は半ズボンじゃ冷えすぎる近所のファミリーレストランに逃避し、
たいして客もいないのを見、スケッチブックに携帯電話持参で
長居するのである。
考えてみりゃ暑く効率の悪い夏に、精神力だけで頑張るってのも非科学的
なもんだね。体温さえ上回るような日中に通常以上な効果を望むのは、
F1レースの世界でもエンジンブローを待っているような設定だもんね。
話は長くなってしまいました。自己弁護も兼ねて 最近はけっこう日中に
さぼるんですわ。今日も公的書類の申請に県の庁舎に出向いた後、せっかく
だからと日本桜百選に選ばれている大平山公園に出向いた。かつて栃木県の
庁舎があり今でも随所に建造物の名残りを残す栃木市から、ものの数分で
大平山への入口にたどり着く。そこからはローギアに入れた車がグイ〜ン
グイ〜ンと泣きながら頂上を目指す。
わずか標高400メートルほどの差が温度湿度共に快適にさせる不思議さ。
週末を除いて混むことがないという平日の頂上公園は、申し訳ないほどの静寂さ
で、そこからの眺めは申し訳ないけどすがすがしい。
不思議なもので、昔思った申し訳ない「さぼり」にくらべ、最近はさほど
「さぼり」をそうは感じなくなっている。さぼっているんじゃなくて、より効率
じゃないかって思えるようになってきたのかも知れない。
山頂近くの蕎麦やでひんやり冷えた漬け物と蕎麦を食べる。だ〜れもいない。
「さすがに湿気がなく快適ですね?」と言ったら
「冬はその分、しっかり冷えるんですよ」と主人。
その後、頂上にある山本有三の石碑の詩を読み、たらりたらりと帰った。
「路傍の石」
たったひとりしかない自分をたった一度しかない一生を
ほんとうに生かさなかったら
人間、うまれてきたかいが
ないじゃないか。