9/16ののらねこ       文は田島薫



火曜は私が早番なので、時間通り出勤したきょうも、年中朝1のシャンさんはすでに

来ていて、ベランダでタバコを吸ってくつろいでいた。

とはいうものの、最初にあいさつをかわしたのはまだらとブラウンとだった。

階段を上りおわる前に彼らと目が会ったのだ。


朝食を済ましてくつろいでいるのかな、と思ったら、皿も水も汚れた空のままだった。

エサ係に就任確定したと思われていたシャンさんも、仕事の形がクボセンセーと同じで、

きまぐれ型「きちんと催促受けた場合だけ」エサ出し方式のようだった。


にゃーと言えばシャンさんもエサを出したはずなのに、彼らがそう言わなかったのは、

まだらとブラウンはけっこういっしょにいるのに慣れたけど、まだ、お互いライバル視

しているところがあって、そういった弱味っぽい表現をどちらも相手に見られたくない、

と思っているからじゃないかと思う。


3連休の後だし、腹減ってんで、シャンさんに声をかけたいんだけど、かけられない、

かけようか、かけられない、…かけようか、かけられない、って、ふたりして階段の

上がり口で、うずくまって、気のいい次のエサ係が来るのを待っていたのだ。

その証拠にまだらはこっちを見て、待ったぜ、って目をして鼻を突き出した。


場の空気を読んだ気のいい私は、すぐに朝食の用意にかかった、緊張が解けた(?)

まだらは思わずにゃーにゃー、と言ってしまった。(これじゃ同じじゃんか)

ブラウンもにゃー、とつられて言ってしまった。


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