5/19の日記 文は田島薫
去年の今ごろと同じで、しゃかしゃかという子鳥の鳴き声で朝を迎える。今年も自宅2階のエアコンのホース穴の跡に小鳥が巣を作ったのだ。
その部屋のそっち側の窓を開けると、エサを求めて騒いでいた声は
ピタっと止まる。本能的に防御行動になるのか、親が教えたのか、賢い。
ほとんど夏のような日も多く、窓に網戸をはめていると、よく虫が外へ出ようとあばれている。
一日中あがいたあげくに力尽きて下に墜ちている虫を発見するといった
ことが以前よくあったので、このごろはよく注意するようにしている。
ガラスや網戸に向かって、すぐそこが外なのになぜ出られないのだ、と
絶望的な気持ちで苦戦している小さな虫に感情移入してしまうのは、
私だけではないはずだ。
知らぬ間に絶望的突進運動をくり返していたらしいハエを見つけて、窓から解放し、元気よく日射しの中を一直線に飛び去って行った時、
そのよろこびが自分のことのように伝わって来る、“おお自由だ”って。
蚊でも、まとわりついてくるやつはたたき潰しても何とも思わないくせに、窓から外へ出たがっているやつは、ていねいに送り出す。
きのうの夕方も蚊を一匹自由にした。
ごきぶりの場合は、“隣の家の”庭へ逃がす。