連載●文はクボユーシロー

小旅行日記2


(大間々その2)

母方の祖母、『まさこばあちゃん』の実家は群馬県大間々町の『神明様』である。

こんもりした森の中に大きな社が建っている。その後ろは切り立った崖で、その

下を渡良瀬の渓流が渦巻いたり、緩やかだったりしながら流れている。

川を挟んで反対側の斜面には1kmぐらいの遊歩道が作ってある。遊歩道のある斜面

も急だが、崖と言うほどではなく狭い階段道を登ったり降りたりおもしろい。途中

にコンクリート製のあずま家があって休憩もできる。日曜日で天気も良いのに他に

観光客はいなかった。黒々とした森、鳥のさえずりと水音、大昔の人々と同じ空間

にいるような錯覚を感じた。

現在『まさこばあちゃん』の甥っ子の巌さんが、後を継いで神社の神主をやってい

る。今回の旅行はふらり旅なので巌さんの所には寄らないできた。


大間々の住宅街を歩いていると『名物・焼き饅頭』という旗を立てた店があった。

焼き饅頭の事は母から聞いてはいたが実際食べた経験はなかった。注文してしばら

くするとほかほかの『焼き饅頭』がでてきた。直径5cmぐらいのパンのような物に

甘辛団子のたれの様な物が塗ってあった。なんとなく懐かしい感じのする素朴な味

であった。美味しかったのでお土産用を一箱買った。 おわり



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