5/19ののらねこ
      文は田島薫



いやいやわるかった。先週末はサニーと飲みながらギターセッションやって、

どうも、帰る時エサを山盛りにして行くのを忘れたようだ。

こないだ、やったエサがすっかり残っていたこともあって、こっちの意識が薄かった。

ここんとこ雨がちの天気なので、下のエサやりレディたちの方もお客さんが奥に

ひっこんでいて会えなかったのかも知れない。


遅く出勤すると、雨模様のドアの前で、少し毛を濡らしたつーとんとまだらの親子が

ひもじそうな顔をこっちに向けながら、身を寄せ合って待っていたのだ。

皿はからっぽで、水コップも濁ったのが底に少しに干上がっていた。


しかし、考えてみるとクボセンセイが先に出勤してるはずなので、そん時はドア前に

いなかったわけだから、前日から待っていたわけではなく、せいぜい1時間ぐらい前に

来てクボセンセイに気がついてもらうのを待ってたんだろう。

エサの用意をしている間じゅう、ふたりにみつめられていて、まだらの方はそばまで

寄って来てにゃーと言い、皿を置くまでぴったりついて来た。


食後はまだらだけ残って、クボセンセイが気まぐれにドア外に出すボール箱の中に

入って、きょうは水道メーターの上で午後の長い時間を過ごした。


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