5/6ののらねこ
      文は田島薫



3連休の後の火曜日、雲が多いけど一応晴れだ。

ドア前の皿は空で、お客さんの姿は見えないな、と思いながらあたりを見回し、

振り向くと、いつの間にかつーとんとまだらの親子が足元に来ていた。


ふたりとも騒ぐこともなく、その場にごろんと横になった。

すぐにエサを出さず、人間のコップをかたずけたりしながら、彼らを時々見ると、

彼らも時々こっちを見て視線が合う。

やっと、お客さんの皿とコップを取って来て洗っていると、さすがに子供の

まだらは立ち上がって、ドアの中へ入って来てにゃーと言った。

エサを持って外へ出る、まだらは足元にぴったりくっついて来て、皿を置くと

すぐに寄って来た。


つーとんの方は知らんぷりで向こうを向いたままねころんでいる。

まだらが食べ終わると、いつもならエサに行くのに、きょうは行かずに屋上への

階段を上りかけて、事務所の窓から見える位置の段でねころんだ。

体調がわるいのかも知れないと思い、小皿にまたたびの粉を溶いて窓から出した。

わりあいてきぱきとなめだした。下からまだらが上がって来てなめようと

すると、彼の頭をぽんとたたいて、ひとりじめした。

なんだい、つーとん、けっこう元気じゃないか。


そのうち今度はこぎたない小さいとらが上がって来た。

口のまわりになにか垂らしている。

よく見ると、よだれと鼻水だった。さらによく見ると、しばらく姿を見せなかった

まだらの兄弟だった。

エサを少し食べてから、まだらや、つーとんの方へ行くのだけど、鼻水の顔に

家族じゅうヒイテいるようだったので、自主的に離れ、ベランダのずーと向こうへ

歩いて行って横になった。

またたびを出してやった。


きょうはまたたびがよく出たので、マタタビ記念日。

(パクリだし、しかもおもしろくないっ)


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