3/3の日記 文は田島薫
先週末は仕事帰りの立ち飲みは珍しくひとりで行った。前日にクボセンセイが、中町さん(仮名)の顔に水をかけたので、
自主謹慎だったのだ。
以前にも紹介した中町さんは人が話してるところに、唐突に全く自分勝手な話をしかけて来る60才の問題児なのだ。
私にも(かつて…今も少し)似たようなとこがあって、私の貴重な反面教師だと感じているせいもあり、けっこう私は彼と、
あまり気にせずにしつこい話をし合ったりするのだけども、それでも、
彼の人をからかうような口調や、人の話すことにはほとんど耳を貸さない
態度に私でさえ、時々「このばかおやじっ」と言ってやるぐらいだから、
普通の会話を求めてる人がまじめに話すことは不可能に近いのだ。
そこんとこへもってきて珍しく真面目に話しこんだため、普段は温厚な
センセイも間もなく切れてしまったのだ。
はじめ、ちょっとおおげさに叱りつけるつもりが、思わず調子にのって、昔、労働組合のリーダーだったくせも出て、水をかけた後、
このやろうっ、こんつぎは中身じゃなく入れ物の方を顔に投げるぞっ、
などと、らんぼうな言葉で盛り上がってしまったようだった。
子供のころからつきあってる私はセンセイの性格をよく知ってるので、普通だったんだけど、何年もその店に通って初めてそれを見た連中は
けっこう短気そうな彼にびっくりしていたようで、
翌日のクボセンセイはうわさのスターだった。
ま、誰でも怒りたい時に怒るのは元来普通のことだとは思うけど。