3/3の主張 文は田島薫
(国益論の狭量について)
イラクや北朝鮮問題に際して、自民党議員などは異口同音に国益国益と言う。
それがすべての問題の必要十分条件だと言ってるように聞こえる。
日本の国益さえ守れれば、他国がどんな悲惨な状態になったとしても、
それはこっちに関係ないことだし、同情はするけど仕方ないと言ってるように
聞こえる。
北朝鮮が核武装したら、守ってくれるのは米国だけだから、イラク攻撃もイラクに関する独自の十分な検証なり判断なり意見なりはせず、米国発の
情報と希望に沿って行動するだけでしょうがないと考えている風だ。
米国はイラクが攻撃してくるはずだから、自分の方から攻めちゃう、といった乱暴なことを言ってるわけだが、それでもイスラム圏の人々に反感やテロを
起こさせることにはならない、とどうして考えられるのか不思議だ。
そんな馬鹿げた行動にも、守ってもらうために仕方ない、それが国益だなどと、
日本は言ってていいのか。
日本に北朝鮮はいつ攻撃してくるかわからないから、米国の核は必要だ、と
言う発想は、米国のイラク攻撃の発想と似ていないだろうか。
だいたい、餓死者がでてる北朝鮮に、国益のために拉致被害者返すまで食料援助をやめろ、などと言う発想の間違いは、自分を北朝鮮側に置いて
どう感じるか想像してみればわかりそうなもんだ。
短絡的な発想によって、自ら他国の反感を増幅し、より不安定で危険な国際状況に仕立て、攻撃しに来るなら来い、備えはある、と言ってる。
そうじゃないだろう、大人の外交といったものの基本は、どんな政体だろうが、国と国が相互に敬意を払いながら理解し合い、問題の本質をよく吟味し、援助し、
民間の交流が活性化するうちに非民主的国家も民主化して行くものだろう。