3/31ののらねこ
      文は田島薫



きょうはめっきり暖かい春本番のいい天気。

午後になっても、ドア前には食べ残されたエサが皿にたっぷりある。


クボセンセイが外で私を呼ぶ。

うちの事務所のあるビルの斜め前の家の前で、時々つーとんたちが

ひなたぼっこしてるのだけど、そこに、「エサやりおばさんが2人来てるよー」、

「ネコ缶をパカっと開けてるよー」と言うのだ。


ベランダの上から見ると、ポリ袋を持ったクボセンセイよりずっと若そうな

女性が2人エサをやってる風景が見えた。


このごろ、どうもお客さんの出足がわるいような感じで、エサの減りのテンポ

が遅い(結局はなくなるんだけど)ような気がしていた理由がわかった。

うちのよりおいしいものが出てたのだ。


ずるいっ、うちのお客さんだぞー、うまいもんやんないでくれますかー、って、

言ってみようかと思ったけど、やめた。


このあたりののらねこたちは最近みんな太りぎみで、ちょっと食事が過剰な

のかも知れない。

あんまり目の前でガツガツ食べるお客さんをあまり見なくなった。

くろとらはけっこうガツガツタイプなんだけど、すぐ逃げちゃうし、

しかし彼もやっぱり体は太い。


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