6/9ののらねこ
      文は田島薫



なかなかお客さんが来ないなと思っていたら、

まだらが、今までほとんど顔を見せに来たことのない兄弟のくろまだら、

をつれて来た。

クボセンセイが初めにその瞬間を窓から発見し、ほらほらおんなじがらのが

来たよー、どっちがいつも来る方だろう、などとおおさわぎした。

そりゃ色の薄い方だろ、と言うと、出たら逃げるかな、と言うやいなや、

ドアの外へ出た、くろまだらが逃げた。

クボセンセイ、あ、ほんとだ、だって。


腹へったのに気おくれしてる内気な兄弟への、辛抱強い徹夜の説得で、

兄弟がそんなに言うなら、行ってみてもいいけど、ほんとにそこの連中は危険

じゃないんだろうな、だいじゃぶだいじゃぶ、っていったやりとりの末やっと

のことで、まだらがせっかくつれて来たところなのに。

あ、ほんとだ、だもんね。


まだらは少し困った顔をしたものの、ちゃんとひとりでエサを食べた後、

水道メーターの上のボール箱の中で横になっていたけど、大人気ない人間の

不分別に怒っていたに違いない、あまりゆっくり寝つけてないように見えた。

(なんちゃって、わりあい、ゆっくりくつろいでいたりして)


でも、大好きなつーとんのそばに来る時の彼は、思いきりのびをして、

笑って(?)ごろんっと、つーとんのお腹へあまえて寝転ぶやつなのだ。


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