1/27ののらねこ
      文は田島薫



うちの事務所は朝1の出勤を曜日で担当していて、金曜日だったクボ

センセイが今度から私の月曜と取り替えて欲しいというので、

きょうはゆっくり出勤した。


ドアまで来ると、冷たい小雨が降る中で、つーとんがなにか訴える目で

待っていた。

皿を見るとからっぽのままで、水の方も底の方に少しだけ、どちらの

容器もよごれたままだ。

閉まったドアの横の窓に、センセイが何か台所作業をしているのが

映っていた。


中へ入ってみると、彼はやっぱり外にお客さんが来ていることに気が

付いていないようで、ねこにエサやんなかったろう、と言うと、

ねこ来ないよ、と、けろっとしている。つーとんが来てまってるぞ、と

言っても、あいさつがなかったぞ、って、動かない。

ドアと窓を締切って、ねこにドアをノックしてもらうつもりだったようだ。

親切な私は食器をきれいにして、エサを出す。


聞くと彼は、ねこに気が付いたときだけエサをやる、と言うので、

朝来たらねこがいなくてもやるように言ったけど、多分また忘れちゃう

ことが多いんだろう。

2連休の後の月曜のお客さんはこれからちょっと辛くなる。

お客さんにノックの方法を考えてもらおう。


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