12/29ののらねこ       文は田島薫



前日某所での餅搗き大会で粘ったので早朝事務所に来て泊り、昼ごろ起きてみると、

ドア前のエサ皿にまだ先週のエサがけっこう残っていた。

いい天気でベランダ側のガラス戸を開け放していると、まだらが顔を出した。

おお元気?などと声をかけると、ちょっと離れた日なたに座り込んだ。

こっちもそれ以上彼と話し込む話題もみつからなかったので、目でじゃ、って言って

ひっこんで10秒ほどして、まだいるかな、とのぞいてみると、もう彼はいなかった。

ドア前のエサも減っていない。


しばらくすると、下の道の方からねこのにゃ〜にゃ〜言う声が聞こえるので、ベランダ

をまわって下を探すと、うちのビルのわきの路地の角でブラウンが声を出していた。

ブラウンはいつもまだらと遊びたがっているんだけど、まだらはあんまり彼とつきあう

のが好きじゃないように見える。ブラウンはさびしがりやのようだ。


下に下りて行って、ブラウンを探すが見当たらない、変わりに車の前にまだらがいた。

何かもらって食べたようで、口を動かしていた。


多分ブラウンも声が聞こえないとこみると、うまいもんもらって食べてるとこなんだろう。

これが、うちのエサがなかなか減らないわけなのだ。


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