4/21の主張             文は田島薫



(短絡外交について)

北朝鮮からの拉致被害者5名が帰国してから、もはや半年。

日本政府は彼らの家族が分断されたままだということを忘れているんじゃ

ないだろうか。

彼らの子供は北朝鮮に残されたままだし、曽我さんは子供と夫両方だ。

イラク問題があって手がまわらなかった、と言うかも知れないけど、

そっちの方だって、あんまりがんばった、というようには見えない。

いつも、どたんばでの外交が短絡的、条件反射的な印象なのだ。


イラク攻撃もその理より、北朝鮮の脅威に米国のご機嫌を損ねたくない、

というもんだったし、その北朝鮮の脅威を増大させたのは、

せっかく日朝会談でいい方向性が出て来た時、拉致被害者の一時帰国が

現状復帰が当然だといった短絡、対症策意見に流れ、外交の最低ルールの

“約束”を破ってしまった。


大体、北朝鮮が独裁非人間的国家で家族全員暮らすより、家族分断し、

一部でも先に帰国した方が当人も幸せなはずだ、と決めつけていなかったか。

北朝鮮国民の悲惨な生活の中でも、少なくとも見つかった限り、拉致された

日本人たちはそれなりに敬意をもって、厚遇されていたではないか。


それも無視、外交の手順も無視し、北朝鮮国民が飢えていてもかまわず、

どうせ食料援助も軍部に行くだけと断じ、経済制裁などの強硬手段に出たり、

米国の武力で威してもらおうと、政府がまた短絡的に考えているとすると、

拉致被害者が全員戻れる道はますます遠のくだろう。


拉致被害者を救いたいなら、まず飢える北朝鮮国民を救う外交を。


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