連載●文はクボユーシロー

貞熊遺伝研究所20


(天の使い13)

今、アメリカ経済の深層部はどうなっているのか。先週のNHKの特集番組で『アメリカのカード破産』をやっ

ていた。『カード破産』自体は日本にもたくさんあるし、そのパターンも日本のそれとあまり変わらないと感

じた。しかし、その中で『あれっ』と思ったのが不動産バブルの崩壊である。砂漠の真ん中にニュータウンが

作られ、未完成の家々がどんどん売約済みになっていく。その多くが値上がり目当ての購入だったという。普

通の家でも、より不動産価値を上げる為にリニューアルブームだったとか。

『バブル』だから当然はじけて大量の住宅が売れ残り、価格も下がり『転がし』目的のローンでの購入者は路

頭に迷う。この番組では言ってなかったが、多くの不動産開発会社や建設関連会社がガタガタになっているは

ずである。

こんな10数年前の日本と同じ事が最近のアメリカにあったなんて全然知らなかったし、それらしい報道も耳に

していない。『バブル』の規模が小さかったからなのか。だれかが報道をコントロールしていたのか。今回の

NHK番組の真の狙い(今ごろ、報道する)は何なのか。

いずれにしても、日本のその筋の人々(株屋や先物取引屋など)だけはしっかり知っていて、アメリカ政権が

経済立て直しのために次に打つ手を分析していただろう。とりわけ、アメリカの建設業界を救う『次の一手』

を先読みする事に必死になっていたろう。

今回のイラク爆撃、その『復興事業』の一つをアメリカの建設会社が約一兆円で受注したらしい。もし日本の

その筋で、アメリカ政権の『次の一手』を『戦争だ!』と読んだやつがいたら、彼だけはしっかりとぼろ儲け

したはず。

今、アメリカの建設会社の株やセメントの先物に買いを入れても遅い。 つづく


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