4/21ののらねこ
      文は田島薫



きょうは降ってるような、そうでもないような、ぐずついた天気。

お客さんたちも、はっきり濡れないって決まったら出て来よう、と

思ってるらしく、昼になっても出て来ない。


やっと、天気がはっきりした昼すぎころ、つーとんとまだらの親子が

事務所のドア前でくつろいでいた。


私は銀行に用があって、階段を下りて行く。

慣れてるふたりは、わきをすり抜ければ、逃げずにそこにいるんだけど、

階段の下り口にいたので、追われるように間合いをとりながら先を

下りて行く。こっちが止まればむこうも止まる。

だるまさんがころんだ、だるまさんがこっ、だっ、だ・る・まさっ。

少し遊びながら下まで下りた。


銀行で30分も待たされて帰って来ると、ふたり今度は、

1階の会社の前に駐車したブルー色のずんぐりした車のボンネットの上で

仲よくくつろいでいた。


遅かったじゃないか、と、こっちを見たふたりの顔が言った。


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