4/28の日記 文は田島薫
テレビがイラク戦後の米国国民に街角インタビューをして、感想を聞いていた。番組編集のせいもあるのだろうが、大部分の人々は屈託のない表情で
イラクが解放されてよかった、イラク国民が喜んでいたし、フセイン像が
倒された映像には感動した、と米国のマスコミ報道のねらいどうりの反応だ。
米国マスコミは攻撃がはじまると、イラク側の悲惨な状況は一切報道しなかった。国民の方だって、身内や知人が戦地におもむいている時に、反戦の意見は
出せなくなることもあったし、そういった雰囲気に迎合したのだ。
しかし、戦争が終わった後でも、そういった感情論が後を引いたままでよしとする米国人はずいぶん能天気な人たちだと感じたけど、同じ状況ならほとんどの日本人
も多分同じになったのだろう。
無邪気にマスコミの表現のままに受取っただけで済ます人々がほとんどで、
それ以上の想像力を働かせられる人々というのは意外に少数なのかも知れないと
感じさせられた。
中年のインテリ風米国人がインタビューされて、無意識にマスコミに指示されたことを落ち着き払って口にするのを見ると、何だか哀れを感じた。
逆に、けこうやんちゃ風の黒人の若者が、きちんとイラク戦を総括した意見を言う
のを見て、まだ米国も大丈夫かなと希望も感じた。