9/3ののらねこ
      文は田島薫



3日ぶりに出勤するとベランダの奥に、いつもの若い白が寝ていた。

オウと声をかけるとこっちへやって来て、2メートルぐらいのところで

止まり、きちんとおすわりしてこっちを見ている。


エサを入れた皿を持って出ると横のほうに少し逃げて、またおすわりする。

タベナといってひっこむ、窓から顔を出すと、まだすわったままこっちと

目を合わす。ほらタベナと手招きしてからちょっとして外をのぞくと

皿のほうに歩いて行くのが見えた。いつもこんな感じだ。


しばらくしてみるとエサは上の方を食べただけで大分残っている。

若白はまたベランダの奥で寝ていた。


昼ごろエサ場を見てみるとなんと、おなじみの水色のプラスチックのエサ皿

がなくて、あたりに一面エサが散らばっている。


カラスがくわえていったのに違いない。多分腹をすかせた

自分のこどもに持っていったのだろう。


しかし、中身を全部こぼして、皿だけ持っていったカラスは、こどもに

なんと説明したのだろう。ほら…おもちゃ。か?


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