10/29ののらねこ
      文は田島薫



朝、いつものようにエサを出して、間もなくドアの外に顔を

出すと、でぶとらが脱兎のごとく階段を駆け降りて行った。

エサは減ってない。


喰っていいよといつも言ってるのに、当人はいつも盗み喰いを

しているつもりのようだ。

あぶないところだった、食べようと思ったとたんに急にオヤジが

出てくるんだもんなと不運を嘆いているのだろう。

でも彼はまるまる太ってるので私は同情しないですみます。


きょうは猫出入りがはげしくて、すぐ後に新人のくろとらが

来たが、顔を出すとやっぱり物陰に隠れ、あまり喰えずに帰った

ようだ。きようは猫世間で評判の悪い私だ。


その後、近付くと逃げるんだけど一番慣れている若白が

来てゆっくり食事して、ドアから少し離れたところで

こっちとじっとアイコンタクトをしたり、毛づくろいをした。


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