7/17ののらねこ
      文は田島薫



きょうも朝から30度をはるかに超した熱気の中、事務所に辿り着く。

エサの皿はちゃんと空になっている。エサを補充して、昼近くなっても

ねこは来ない。でも、ま、人間だってやっとふらふら歩いてる炎天下、

毛皮を着たねこが出て来るわけはない。

この季節ねこは夜行性になるのだ。…… 多分。

そんなことを考えていると、時々小さな仕事を持って来てくれる近所の

社長さんが、小さな仕事を持って来てくれて、すぐ帰ろうと、

ドアを出て階段を降りようとしたとき、しろねこの鈴志郎が上って

来た。で、そのまま向きを変えて走り降りて行った。

いやーあっついけど、毛皮着てるるけど、腹へっちゃったから

しょーがないと、思いきって上がってきたのに、なんて間が悪い。



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