12/10ののらねこ
      文は田島薫



朝来てエサを皿に入れて待つが、やっぱりお客さんの出足がにぶい。

けっこう寒くなったし、他にお得意さんができたりもして、

少し冬眠モードに入ってきたのかも知れない。


そういえば、先週は、仕事をしていると、入口の方でねこの

うなり声がするので行ってみると、

少し開けておいたドアの向こうから鈴志郎が顔をのぞかせていて、

手前の玄関の中から短志郎がうなっているのだ。


短志郎はあまり寒いので、中へ入ってくつろいでいたらしい。

で、同じアイデアを思いついた鈴志郎とかち合っちゃったのだろう。

なんだこの帰れ帰れ、などといろいろ言っていたところなのだ。


でも、私が近づくと逃げる性格のふたりはけっきょく、一緒に

帰って行ったのだった。


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