9/3の日記
         文は田島薫


私には毎月月末に御機嫌伺いの電話をしている人がいる。


世間風評や芸術論のような話がいつも楽しい。

昔お世話になった元社長で画家のHさんで、だいぶ以前に奥さんを

亡くして一人暮らしで、もう80ぐらいなのだが、ばりばり元気いっぱい

の人なのだ。


しばらく空きになっていた自宅一部の貸し事務所に会社が入る

ことが決まったと喜んでいた。顔エステだと。


彼は毎日自然や樹木に心情を託していく絵を描いていて、

1日遅れできのう電話した時もそうだった。

絵に入り込んでいる時に来る集金や宅配などの訪問が

煩わしいという。


こっちもけっこう電話のタイミングに気を使うのだ。





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