ユーシロセンセイの三孫日記1
三孫(さんまご)とは地下鉄有楽町線の江戸川橋駅から
徒歩2分ぐらいの場所にある立ち飲み屋です。
酒屋でもあり、その歴史は100年以上とのこと。
江戸川橋駅周辺は昔から印刷、製版関係や出版、編集関係の多い場所です。
三孫には小および零細に入る会社の労働者諸君が多く
集まります。
もともと4坪ぐらいの小さい店で以前は何時も超満員でした。
しかし最近は不況とリストラによる社員の減少および
常連客の定年退職で客が少し減りました。
こんな三孫に集まる愛すべき酒飲み達をご紹介していきます。
ユーシロセンセイの三孫日記2
モッチャンは読書家である。いつもポケットに文庫本を入れている。内容は幅広くなんでも読むらしいが、中でも江戸時代の庶民が出てくる
大衆小説が好きらしい。
また、モッチャンは大のお祭りオヤジでもある。
どこかのおみこしかつぎの同好会に入っていて、関東一円の祭りで
おみこしをかつぎまわっている。
祭りとかおみこしの話になると彼の独演会となる。
昔、離婚して娘がいるらしいが、今は一人暮らし、今年から年金が
入るようになったらしく、金回りが良い。周囲の人が「いらない」って
言うのに酒をつぎまくって嫌われている。
モッチャンは酒が回ってくると「俺は山梨、韮崎の出身で大工の棟梁の
長男、跡は弟が継いだ」とか、「高校は韮崎でサッカー部、あの中田
は後輩」、「元々はレンガ窯作りの技術者で全国を歩いた」等々が
始まる。かなり酔いが回ってくると三孫の名物「モッチャンの手踊り」
が始まる。モッチャンのろれつが回らなくなると、手先だけがクルクル
と雄弁になってくるのである。
(注:文章の批判、添削は受付けません)