10/21の主張 文は田島薫
(経済効果の錯覚について)年度末になると、予算消化のために道路が掘り返される。
その事実が国土交通省内の志しの高い役人によって、調査された。
中部地方で、01年度(1月を除く)に発注した1762件のうち、48%が
2〜3月に集中していたそうだ。
不況の中、なんでも仕事ができれば、下請け土木業者も助かるし、経済効果も上がるなどと、言う人がいるが、はたしてそれでいいのか。
必要もない工事に金をかけるということは、結果的には業者に金を恵んで上げてるのと一緒なのだ。
福祉と考えれば、まるっきりいけないことでもないようにも思えるが、
業者も省庁と癒着した天下り企業が元請けだったりすれば、働かない
人間が中間搾取しどんどん私服を肥やす無駄の上塗りといったような
もんだ。
事実、道路公団の道路維持業務の97%が役人天下り企業が受注した
ことが朝日新聞の調査でわかったそうだ。
第一、元はいろんな形のわれわれの税金なわけだから、国の予算が赤字のところへもってきて、そんな不合理を見過ごし、目先の自分の
職場の利益だけ考えていては、常に公共料金が上がり続けたあげく
どこの底辺労働者も働けど働けど貧乏加速、といったことになるのだ。
無駄はやめて、本当に必要なところに金を使うというのが、経済を上向かせる基本。緊急避難、背に腹は変えられない、といった
状況も大いにあると思うけど、少しは我慢もし、役所に対しては
必要な訴えを日常的にして行く意識を誰もが持つべきなのだ。