10/7ののらねこ
      文は田島薫



きょうは朝降ってた雨がすぐ上がってけっこういい天気になった。

いつものように、皿にエサを入れてから、ぽつぽつ仕事を始めて

しばらくすると、ドアの方でなにかケハイがする。


行って窓から見てみると、まだらとしまの子ねこ兄弟が自分たちだけで

来ていて、こっちになにか目で訴えている。

静かに外へ出てみると、すでにエサが先客にたいらげられていた。

ふたりは、ね、と言った顔をしたまま、ちょっと後ずさりしただけで、

逃げなかった。


皿にまたエサを入れてやる。引っ込んで、窓から見ると、まだらの方は

まもなくエサの方へ行ったんだけど、しまの方はこっちの顔を見て

立ち止まっている。

手招きとジェスチャーをまじえて、ほらこれこれと言う。引っ込めば

エサに行くのはわかっていたが、きちんとコミュニケーションとって

みようと思って、目を見ながらしつこくくり返したら、かんねんして

わかった、と目で合図して、エサに向かった。


その後、ツートンカラーが来て、毛づくろいしたり、じーっとこっちを

見たり、彼はいつも長いことこっちを見るのだ。わざわざふり返って

首をひねったままじーっとこっちを見たりした。



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