1/15ののらねこ
      文は田島薫



きょうは冬のわりに朝から暖かい。ドア外の皿にエサを入れて、

しばらくして見てみると、少しへってて、見回してみると

下のブロック塀の「ネコけもの道」の上で肥満ぎみの鈴白が

座っていて、こっちと目があった。


すぐに逃げる体制を作ろうとしたが、オイ、エサくった?と

呼び掛けると、逃げるのをやめて、なんなんだい、あっしに

用があるってのかい、何見てんだよー。

とちょっととまどいながら目でもんくを言っている。


私もずっと見つめ合ってるのにも飽きたので、違う方に

他のお客さんがいないか、目と体を移動させて、誰もいなかった

ので、また元へ戻って、目をやったら、


鈴白今度は、さっと立って、けもの道をずっと向こうの縁まで

小走りに行って、向こうの建物のひさしに上がって、また

こっちを見ている。ヒマ人である。




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