連載
ユーシロさんのちょっと知人の話 3
(長瀬君)
長瀬君はあの伝説の雑誌「話の特集」編集部員だった。約20年前、私の高校の同級生(野本希望)が信州の山奥(八坂村)で廃屋をただで借り
陶芸をやっていた。その頃、遊びに行って廃屋に泊めてもらったり
したので東京での個展を手伝った。
ギャラリーは赤坂見附の「小川」をみつくろってやった、ここの店主は
工芸協会のえらいさんで銀座松屋にコネがあった。
当時長瀬君は「陶」という地味な陶芸誌の実質的編集長をやっていた。
私は野本の個展の案内を載せてもらおうと飯田橋にあった薄暗く
かび臭い「陶」の編集室に行きそこで長瀬君と出会った。
その後、野本は銀座松屋が定期的に企画展をやるほどの先生に
なったが、「陶」は休刊した。
長瀬君はお酒を好くする。
飲み始めると決して自分から帰ると言わない点はココアの田島と
似ているが、飲みすぎた後の事件となると長瀬君のほうに軍配だろう。
長瀬君は顔が広い。以前有楽町を歩いていた時、彼は歩道の新聞売り場のおばさんに「ちわーっ」、おばさんは「あーらしばらく元気ー」。
以前あの中山千夏さんが編集長でこの世の中に対し盾突きまくりの
月刊誌を出していた。長瀬君に中山さんを紹介されて、私は1年ぐらい
その雑誌にいいかげんなイラストをかきなぐっていた。
長瀬君は仕事のできる編集者らしい。話の特集を含め数ヶ所の編集現場
でキャリアを積んで独立後、彼の何がクライアントを増やしたか
知らないが、最近は酔いどれてる暇もないらしい。
(次回は大沼さん)