2/4ののらねこ
      文は田島薫



きょうはうすら晴れの、とぼけた天気だ。

ドアの外のエサもなんとなく誰かが少し食べた跡がある。


午後になって、また誰か来てるかなとドアから顔を出すと、

クロトラが肥満の胴体から出た短い足を忙しく前後させながら、

階段を逃げ下りていった。


彼にはずっと前から、逃げなくていいと言ってるのに、

全然耳を貸さないのだ。


そんなはずはない、きっとおいらをつかまえて、お仕置き

するつもりなんだ。と固く信じていることが、一心に走る

彼の後ろ姿から誰でも読み取れる。


安易に人を信じず、自分の信念にもとずいて、きっちり

行動し、いつも確実に エサを手に入れ、余裕をもって多めに

体内に蓄積する。


私の友人にも思い当たるタイプの人物がいる。





戻る