2/18ののらねこ 文は田島薫
きょうは鈴白が来てすぐ帰っちゃって、呼んでも相手にされなかったので、何も書くことがない。
で、おしまい、じゃわるいので、郊外編を、
昨日の天気にくらべ、けっこう気持ちよく晴れたせいか、朝自宅を出て駅まで向かう途中に、ねこにはめずらしく
早起きのがいた。
東京電力かなにかの寮なんだけども、シックな色のレンガ造り風の建物の玄関の階段の上に、ポール・デビス
の絵とそっくりのねこが、悠然と座って動かない。
通勤途中の私がいつものように、大切な仕事が待っているのだというふりをして急いで歩いて行くのを、横目で、
「ふん」と笑ったような気がした。