12/24ののらねこ 文は田島薫
3連休の日曜日の午後、事務所にちょっとした用事で立ち寄ったら、金曜の晩大皿に山盛りにしておいたエサはやっぱり空になっていて、
また山盛りにしておいた。
きょう火曜日の朝来るとやっぱり、空だった。ま、あたりまえの話だ。
きょうは中くらいエサをいれた。うすら寒いし、お客さんの出足はわるいだろうと思っていた。
しばらくして、見てみると、エサが半分ほどなくなっていた。
お客さんの姿はない。まわりを見回してみると、一階の物置きの屋根で
つーとんがまるくなっていた。
陽が出ている時は暖かそうな場所なのだが、きょうは大丈夫なのかなと
思ったが屋根はプラスチック製なので、それほど冷たくないのだろう。
ちょちょっと舌で合図すると、ゆっくり顔を上げてこっちを見ている。でも、少し寝ぼけているようで、いつもの愛嬌はない。
またほんのしばらくして、行ってみると、もう屋根につーとんの姿はなかった。やっぱりさほど暖かくなかったのだろう。さっきだって、
あまり愉快そうな顔ができなかったのだ。
しばらくしてまた見に行ってみると、エサは全部なくなっていた。お客さんの姿はない。
寒いから、このお客さんもさっさと食べてさっさと帰ったらしい。