連載●文は文はクボユーシロー
貞熊遺伝研究所3
(アート1)
人類はアートが好き。古今東西アートが好き。ヨーロッパ(たぶん)で
石斧でマンモスを追っかけていた頃の人が、洞窟の壁に描いた動物の絵
がたくさんでて来た。それがミケランジェロのデッサンのように良い味
出してた。
何故人類はアートをするのか。人は何故、アートを創りたいとか、アー
トを鑑賞したいとか、ばか高い金払ってもアートを買いたいとか思うの
か。何百年も前に誰にも評価されず、貧困と病気まみれで死んだ画家の
作品に何故今の人が感動するのか。
アートでは人々の腹いっぱいにならないし、雨露も寒さもしのげない。
それでもアートの遺伝子は大昔から今日まで人類の内部に脈々とバトン
タッチされている。
灼熱のアフリカにも極寒のシベリヤにも、人類の足跡が有る所にアート
は存在している。アートを発信する人間たちも、それらのアートを受け
る人間たちも絶滅することなく現存しているし、減少してるとも思えな
い。
アートの何に人類は必要性を感じてきたのか。人類はアートに何を求め
てきたのか。
アートって一体何なんだ。 つづく