12/2ののらねこ
      文は田島薫



朝来ると、やっぱりつーとん(ツートンカラーから当人に無断で改名)

が、一番にやって来て、ドア前でおすわりした。

エサを皿に少し多めに入れて、どうぞとすすめた。

ゆっくり、エサにすすむと、ぽりぽりと食事して、3分の1ほど

食べると、ベランダの階段下り口で、すぐ帰るかどうしようか迷って、

少しおすわりして、お愛想笑いしてから、下りて行った。


しばらくすると、子ねこのまだらが階段下り口から顔だけ出した。

手招きしてこっちが引っ込むと、ほんの少量食べて帰った。


昼近くになって、昼食の野菜の補充に目と鼻の先のやおやへ行こうと

階段を下りようとしたところ、ちょうど、子ねこのくろとらが

上がって来ようとしてるところだった。

おいでおいで、と手招きしながら、下りると、やっぱり逃げて、

1階の車の下に隠れたのをのぞきこんで、上行ってエサ食べなさいよと

言ってから、やおやから戻って、階段を上ろうとすると、

彼は3階の事務所前にいて、ちょうどドアから出て来たクボセンセイ

から逃げようと、階段を今度は下りようとしているところだった。

上と下からはさみうちに会った彼は、少し迷いながらも、逃げて

2階の階段のすき間から物置き屋根の上に身を隠した。


彼はけっこう我々に慣れて来ているんだけども、完全に気を許している

わけではないのだ。

エサをだしに何か売り付けられたらと心配しているのかも知れない。


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